おと な り
私にとって、”おと”と”におい”はいろんなものを記憶させ、思い出させてくれる。
昔行ったことのある場所の空気、好きな人がつけていた香水、お母さんのごはん。人のにおい。
その人の足音、車がぬれた道路を走る音、玄関の開く音、声。
この映画は、そんな”おと”を大事にしていて、スクリーンに映っている岡田くんも麻生さんも見たいんだけど、目を閉じて聞きたくなるような、そんな映画。
その反面。
私には、実際に存在する、おもてに表れているものしか感じ取れないんじゃないかとも思う。
人の心や見えない考えなんて、見えないんじゃないかと。
いつもいつも、音楽(これも”おと”だけど)で耳を塞いでしまっていて、周りのおとに気づけていない。
そんな気がして思わず帰りに目を閉じてみた。
エンドロールのバックで真っ黒な画面のなか聞こえる2人の声は、とても楽しそうで、本当の会話みたいだった。
ゆっくりプログラムを読んでみよ。
※せっかくの映画の中で、茜の声はちょっと騒々しかったと思う。。。